デバイス設定ファイルの概要 - NextStation リファレンス
NextStationのデバイス設定は、同じ路線を走行し、同一のデザインの車内LCD表示器を搭載した列車で共通して使用される情報を表します。具体的には、表示モードの切り替えパターンや乗り換え路線表示の配置方法などです。
NextStationは、特定の路線情報に特定の表示装置のテーマを適用して実行されますが、路線情報は異なったテーマの車内LCD表示器で共通して使用される可能性があります。また、テーマも複数の路線で使用される可能性が考えられます。デバイス設定ファイルは、参照する路線情報ファイルとテーマファイルのパスを保持し、互いに独立したこれらの情報を統合して、表示装置をその路線に最適化するために役立ちます。
デバイス設定ファイルの構造
デバイス設定ファイルは、DeviceSetting 要素をルート要素とし、配下に次の要素があります。各要素の詳細・記述方法についてはそれぞれの要素のページを参照してください。
要素名 | 設定内容 |
---|---|
Title | デバイス設定のタイトル |
FileInfo | 実行時に読み込まれる路線情報ファイルとテーマファイルの参照パス |
WindowSettings | 表示装置ウィンドウに関する設定 |
RoutineDefinition | 表示モード切替パターンの定義 |
TrainInfoDefinition | 列車種別・行き先・編成等の定義 |
ColorDefinition | 路線図等での色指定に関する設定 |
DetailedRouteMap | 詳細路線図表示に関する設定 |
RouteMapDisplayDefinitions | その他の路線図表示に関するページ単位での設定 |
AdditionalStationInfos | 路線情報に付加されるデバイス固有の情報 |
Title 要素
Title 要素ではデバイス設定のタイトルを設定します。判別を容易にするために、「路線名」、「車両系列」などを記述することをお勧めします。
例:埼京・川越・りんかい線 E233系7000番台
FileInfo 要素
FileInfo 要素では実行時に参照する路線情報ファイルとテーマファイルのパスを設定します。ファイルパスは絶対パスと実行ファイルからの相対パスの両方が使用できますが、異なるコンピュータで使用する場合を考慮し、相対パスでの記述をお勧めします。
WindowSettings 要素
WindowSettings 要素では実行開始時点での表示装置ウィンドウのサイズを指定します。テーマファイルが想定している表示装置の画面アスペクト比と同じ縦横比にすることをお勧めします。
RoutineDefinition 要素
RoutineDefinition 要素では、表示モード切替パターンの定義を行います。RoutineDefinition 要素は、基本情報表示部での切り替えパターンを定義するMainAreaRoutines 要素と、補助情報表示部での切り替えパターンを定義するOptionaiAreaRoutines 要素を子要素に持ちます。
一般的に、表示モード切替のパターンは列車の走行時・停車時などの状態や、ホーム側と反対側などの状況によって異なります。NextStationでは、このパターンそれぞれを1つのルーチンとし、Routine 要素を用いて定義を行います。
Routine 要素は、Title 属性とSteps 要素を持ちます。Title 属性はそのルーチンがどの状況で使用されるのかを識別するために用いられます。この内容は列車設定エディタでルーチンを選択するコンボボックスに表示されますので、わかりやすいタイトルをつけることをお勧めします。
例:[始発駅停車・途中駅停車(ホーム反対側)] 全区間・詳細交互表示
1つのルーチンの中で、表示される情報は漢字・かな・英語など言語が変わるほか、補助情報表示部では路線図・次駅ホーム案内・優先席の案内など表示される内容自体も次々に変わっていきます。また、それらが表示されている時間も一定ではない場合があります。Steps 要素は、これらの変化していく表示モードの1つ1つを表すStep 要素のコレクションです。実行時には、指定されたルーチンのStep 要素の内容に従って表示モードが切り替わっていきます。コレクションの末尾まで到達したあとは、先頭に戻って継続されます。
Step 要素には次の属性があります。ただし、Mode 属性は、OptionalAreaRoutines 要素配下でのみ有効です。
属性名 | 設定内容 |
---|---|
Language | 表示する言語を指定 v0.2.0.0 時点では日本語(漢字)・日本語(かな)・英語から選択できます |
Duration | 表示する時間を秒単位で指定 この時間が経過すると次に切り替わります |
Mode | 補助情報表示部での表示モードを指定 |
TrainInfoDefinition 要素
TrainInfoDefinition 要素では、列車ごとに選択される路線単位で決められた情報を定義します。TrainInfoDefinition 要素には次の子要素があります。
要素名 | 設定内容 |
---|---|
TrainTypes | 列車種別の定義 |
TrainNames | 路線名・列車名等の定義 |
ServiceInfos | 直通運転・経由路線等の情報の定義 |
Destinations | 行き先の定義 |
CarsDefinition | 列車編成の定義 |
これらの各要素は実際の設定を行う要素のリストを持ち、TrainTypes、TrainNames、ServiceInfos、Destination要素では、日本語(漢字)、日本語(かな)、英語の設定が行えます。必要のない言語での設定は不要です。これによって、途中駅から列車種別や行き先が変わる列車も再現可能になっています。
CarsDefinition要素は列車編成定義のリストを持ち、編成中の各車両に号車番号の設定を行います。号車番号には数値に限らず自由な文字列を設定できます。編成両数も自由に設定可能です。
ColorDefinition 要素
ColorDefinition 要素では色に関する設定を行います。v0.2.0.0では、路線図表示で用いるラインカラーの指定を行うことができ、LineColor要素を子要素に持ちます。
LineColor 要素では、路線情報ファイルのBranchDefinition要素で定義されている枝(Branch要素)ごとにラインカラーを指定できます。実際にどのような色にするのかはテーマファイルで決定します。テーマファイルでは通常、ラインカラーに用いるブラシリソースが配列として定義されます。LineColor 要素は、枝とブラシリソースを配列インデックスを用いて指定し、関連付けするLineColorSetting 要素のリストです。
DetailedRouteMap 要素
DetailedRouteMap 要素には詳細路線図表示モードにおいて、表示する駅の最大数を設定するMaxLength 属性と、経路上の残り駅数が最大数に満たない場合の表示方法を指定するFillToMaxLength 属性があります。また、各列車状態ごとに路線図表示の設定を行う子要素があり、現在駅の前駅から表示を開始するかを指定するStartFromPrev 属性を持ちます。
RouteMapDisplayDefinitions 要素
RouteMapDisplayDefinitions 要素では、詳細路線図表示モード以外の路線図表示に関する設定を行います。複数の路線図ページに対応しており、各ページに対応するRouteMapDisplayDef 要素のリストを子に持ちます。RouteMapDisplayDef 要素は、表示される各駅をグループ化するRouteMapBlock 要素のリストを持っており、複数の段で構成される路線図ではそれぞれの段をRouteMapBlock 要素として定義し、内部に表示する駅を指定します。
AdditionalStationInfos 要素
AdditionalStationInfos 要素では、路線情報ファイルで定義されている駅情報に追加するデバイス固有の情報を設定します。ここで設定される付加的な情報とは、特定の表示モードで駅名や乗り換え路線名に加えられる改行・愛称や、乗り換え路線の配置方法などのことです。路線情報ファイルで定義されている表記と異なる駅名・路線名を表示する必要がある場合、ここで別名を定義する必要があります。
AdditionalStationInfos 要素は、付加情報を設定する駅を表すStation 要素のリストとなっており、Station 要素は、駅の別名を設定するAliases 要素と、乗り換え路線に関する付加情報を設定するTransferDisplayDefinitions 要素を子要素に持ちます。これらの付加情報は表示モード単位で設定するようになっており、指定した表示モード以外には影響を及ぼしません。
デバイス設定ファイルの編集方法
すでに作成されているデバイス設定ファイルは通常は編集する必要がありませんが、路線情報とテーマの新しい組み合わせを作る時や路線情報に変更があった時には、デバイス設定ファイルの作成や編集が必要になることがあります。
デバイス設定ファイルはXMLで記述されており、一般的なXMLファイルと同様にテキストエディタで編集することができます。保存する際は、文字エンコーディングにUTF-8を指定してください。なお、内部的にUnicodeを使用していない一部のテキストエディタではマクロン(横棒)付きアルファベットなどの文字が変換できず、文字化けすることがあります。この場合、UTF-8で保存し直しても文字化けしたままになるのでご注意ください。
対応バージョン:0.2.0.0 以降
最終更新: